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Beyond the Time in Distance -An Attempt at the Theory of Landscape

Tsuji Shigefumi -2023 Sangensha

はるかなる「時」のかなたにー風景論の新たな試み

辻成史 編 ー2023 三元社

辻成史先生との対談の様子が載っています。
三元社 http://www.sangensha.co.jp/

A book of paintings and poems-Living with Fleeting Moment-2018

詩画集ーあわいと暮らすー 2018





夕暮れの散歩、窓辺のうたた寝、

木洩れ日が落ち葉をあたためる

あわい(間)、には優しさがある

あわいと暮らす日々をやわらかく描きたい

詩画集デザイン・印刷設計 芝野健太

詩画集ーあわいと暮らすー出版記念エール文 寒竹泉美(小説家)

赤松さんの絵は、とてもやさしくて可愛らしい。不思議な感じもするし、神秘的でもある。形がないから、何に見えるのかを試されているような気持ちになる。 

 そんな彼女が詩も書くのだという。はたして、どんな言葉をつむぐのか。ちょっと緊張しながら開いた作品集には、あっけないほどシンプルでまっすぐな言葉がならんでいた。可愛らしくて何でもない言葉たちが、ちょこんと座ったり、とことこ歩いたりしている。それはまるで、隣に座っている仲良しの友達のひとりごとみたいに、耳からするんと入ってくる。

 そうか、この絵は、赤松さんの目から見た日常なんだ、と、わたしは初めて理解した。赤松さんは別に、謎めいた抽象画で誰かを惑わしたいとか、美しい色で芸術を極めたいとか、そんなことを考えているわけではなく、いつも見ているなんでもない日々の、このうえなく美しい一瞬をどうやってキャンバスに表そうかと試行錯誤した結果が、この絵なんだ。

 いつも言葉に紐づけされて飛び立てないわたしは、赤松さんの絵を通してあわいの世界をのぞきこむことができる。手を止めて空想することができる。そして、世界はもっと大きくやさしいのだということを思い出す。