ARTIST / 赤松亜美 – akamatsu ami official website

about

画家 / 赤松 亜美

日々、足元にある自然を観察し、自然の中の、「あわい(間) 」に感じるものを絵画で表現しています。

昼から夜に変わり、陽が暮れてゆく「あわい」であったり、枯れゆく草花の生と死の「あわい」であったり。

そういったものを見つめていると、自然と自分との「あわい」にある、風のような領域に幸せな孤独を感じます。

このような日々の積み重ねや手応えが、目の前の風景に裏打ちされ、幸せな孤独の風景が重なり温かみを与えてくれます。

そういった感覚を、白い表面の向こう側に描けたらと思い制作しています。 そして、作品を見てくれた方の風景が絵に重なり広がっていくといいなと思っています。

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「あわい」に関する仕事が色々出てる中でね、
僕があなたの作品の「あわい」に興味を持つのは、
やっぱり自分の意識の外に、何かそういう動いて
いくものがあって、仮にそれが自分の心の中のも
のであっても、何かそれは絶えず自分の意識を逃
れてどっかへ進んでいくというか、消えていった
り、現れてきたりする。僕はそこに非常に面白い
ポイントがあると思うんです。

―― 辻成史(作家・美術史家)

弱さを抱きしめる強さを表現したかったという赤松亜美さんの描く  
「幸せな孤独」とはどんな世界なのでしょうか

まず、深呼吸をしてあふれる情報をできるだけ遮断して向き合ってみます

何かを強く訴えかけるわけではなく 強く吸引されるわけでもない

ただ寄り添ってくれる優しさと
世界がスローモーションになった感覚と
重力から開放されていく感覚と

心を縛り付けていた重い鎖を断ち切ってくれるような
そんな強さもあとからじんわり伝わってきます

そうしているうちに世界が立てる人工的な音さえも
どこか懐かしく感じられて

五感のすべてが研ぎ澄まされていくような不思議な感覚になり
安らかな孤独の世界に誘われていきます

この感覚は
ガラス細工のような月を見上げていたとき
雲間から一筋の陽の光が差し込んだとき
土砂降りの雨が世界を洗い流してくれるように感じたとき
そういうときの感覚と似ていました

出来事や想い出と呼ぶにはあまりにもささやかな瞬間でも
生きているということがそれだけで
とてもいとおしいと思えるような瞬間

そのような瞬間の積み重ねが「幸せな孤独」なのかもしれません

みなさまご自身の 「幸せな孤独」をぜひ、体感してみてください!

―― 太原有紀子(翻訳者)

心地よい風を感じてふと空を見上げると
花吹雪が舞っていたときのような少しはかない幸福感を
「よかったらどうぞ」とさりげなく差し出しているような作品を描く
赤松亜美さんの個展です

春の陽射しのようにふんわりとまとわりついてくる作品世界に浸っていると
日々めまぐるしく起こっていることや洪水のように流れる情報をしばし遮断してくれる
シェルターの中にいるように思えてきます

心地よい孤独に包まれるまま
存在していることだけに意識を集中してみます
完全な心の休息のために

ユニークで象徴的なタイトルは心の扉を開ける鍵のようです
カチッと回して心の扉を開いたとき
みなさまの心の目に映るのは
どのような場面あるいは光景なのでしょうか

―― 太原有紀子(翻訳者)